遺族年金ってどうやって受け取るの?
遺族年金ってどうやって受け取るの?
老齢年金へ加入後に人が亡くなった場合、一定の遺族に対して遺族年金が支給されます。
一定の遺族とは、故人と生計を一緒にしていた配偶者や子供ですが、年金によって支給対象が違ってきます。一口に遺族年金といっても、亡くなられた方がどの年金制度を使っていたかによって、支給される年金も変わってきます。
遺族年金には国民年金から支払われる「遺族基礎年金」と、厚生年金から支払われる「遺族厚生年金」があります。公務員は「遺族共済年金」です。
遺族年金が支給されるのは、故人の保険料納入期間や受け取る側の年齢など支給要件を満たしている場合に限られてきます。条件を満たしているのか、どの年金に該当するのかを知って、遺族年金の請求手続きを行いましょう。
遺族厚生年金の場合
故人が厚生年金に加入していたサラリーマンだったら、遺族厚生年金は妻、18歳未満の子供と孫、55歳以上の夫、父母、祖父母まで支給対象になります。短い加入期間であってもかならずチェックしてみましょう。
年金額は個人の標準報酬月額や被保険者だった期間をもとに計算されます。老齢年金の4分の3相当額となっています。また、夫が亡くなった時に40歳以上60歳未満で生計を一にする子供がいない妻には、年額589,900円が加算されます。
遺族基礎年金の場合
国民年金は全国民共通の制度ですから、自営業の第1号被保険者だけでなく、サラリーマンも第2号被保険者として加入しています。自営業でなかったからと見過ごさないで、受給資格を満たしているか遺族基礎年金チェック表で確認しましょう。
但し、この遺族基礎年金の支給対象は、子供のいる妻または、子供に限られています。この場合の子供は、遺族厚生年金の時と同じ18歳未満であることが条件となります。年金額は、786,500円に子供の加算分を足した金額です。
寡婦年金と死亡一時金とは
上記の遺族基礎年金がもらえるのは、子供のいる妻に限られていますから、子供のいない妻はもらうことができません。若いころからコツコツ払い続けていた保険料が返ってこない払い損になってしまいます。
そこで、保険料を納めた期間が一定以上ある人には、寡婦年金と死亡一時金が給付されることになっています。
このように、国民年金はすべての国民に共通の基礎年金が支給され、厚生年金保険と共済組合等は基礎年金に上乗せして1つの年金として受け取ることができるシステムとなっているのです。
申請方法は
遺族年金の種類と受給要件をチェックしたら、申請するための書類を揃えましょう。
①年金手帳
②戸籍謄本記載事項証明書
③世帯全員の住民票の写し
④故人の住民票除票
⑤請求者の収入が確認できる書類
⑥子の収入が確認できる書類
⑦市町村長に提出した死亡診断書のコピーまたは、死亡届の記載事項証明書
⑧受取先金融機関の通帳(本人名義)
⑨印鑑
以上は必ず必要な書類となります。状況によって、故人の年金加入期間を確認できるものや年金証書が必要な場合もあります。不明なところは、社会保険労務士の無料相談などを利用して受給の可能性を確認しましょう。
※社労士の業務範囲になりますので、社労士にご相談いただくとスムーズな解決が見込めます。
筆者
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・兵庫県司法書士会所属/日本司法書士会連合会
・兵庫県行政書士会所属/日本行政書士会連合会
相続・遺言・登記・後見など司法書士(行政書士)が扱う業務は多岐に渡ります。普段の生活では耳馴染みもなく、初めて問題に対峙された時にどの様に対処をすれば良いか困惑されることも多いかと思います。士業という専門家として、「どうしたら分かりやすくお伝えできるだろうか」「ご希望に沿う形での解決は何だろうか」と日々考え、円滑な解決とともに、お客様に寄り添う司法書士(行政書士)でありたいと考えています。
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