父親にどれくらいの遺産があったのか分からない
遺産相続は遺産を継ぐものです。理屈としては難しい話ではないのですが、しばしトラブルになるのは遺産の分配方法や、さらには遺産がどれくらいあるのか分からない状況の時です。
遺産が事細かにすべて把握できる状態であれば良いのですが、一体どれくらいの遺産を持っているのかよく分からないケースでは、どのような解決策があるのでしょうか。
対応策は多種多様
遺産がどれくらいあるのか分からないなかで遺産分配を行う場合、遺産をすべて把握してからという方法もありますし、逆に分かっている分の遺産を相続し、後から出てきたものはその都度考えるという手法もあります。ただし、この場合気を付けなければならないのは借金など負債の存在です。
遺産とは決してプラスだけではありません。借入や負債など、マイナスのものもまた、「遺産」なのです。
つまり、マイナスがある場合には先にプラスの面だけを分配してから「マイナス分は継ぎません」とはいきません。そこまで都合よく遺産を分配することはできないのです。
遺産を調べよう
万全を期すのであれば遺産を調べるべきです。不動産のように、何かしらの通知が来るものであれば見落とすことはないはずですし、貯蓄や債券も預金通帳等で確認できます。
ただし、近年では通帳をインターネットで確認する専用の銀行も増えています。
また、保険資産もあります。これらを調べるのは骨の折れる作業ではありますが、これらをチェックしておかなければ完璧な遺産相続になりません。
良い方法はあるの?
遺産を調べるのは決して簡単ではありません。生前に何かしらのことを聞いていれば良いのですが、何も聞いていなければ探偵さながらに、あれこれ調べなければならないのです。
インターネット銀行のように、本人だけしか知らないようなものもあるのではないでしょうか。
これらを調べる際にはやはり生前にしっかり故人とコミュニケーションを取っておくか、急な話であれば故人のパソコンやスマートフォン、携帯電話等の個人情報をチェックし、どのような財産があるのかを確認しておくと良いでしょう。それらを確認するだけでもどのような「遺産」が残されているのか分かります。郵便を見れば、どのような所から手紙が来ているのかが分かりますので、故人の遺産のみならず、生活環境そのものも見えてくるかと思います。まずはそれらを確認してみてください。確認することによって、改めて気付くこともあるでしょう。
筆者
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・兵庫県司法書士会所属/日本司法書士会連合会
・兵庫県行政書士会所属/日本行政書士会連合会
相続・遺言・登記・後見など司法書士(行政書士)が扱う業務は多岐に渡ります。普段の生活では耳馴染みもなく、初めて問題に対峙された時にどの様に対処をすれば良いか困惑されることも多いかと思います。士業という専門家として、「どうしたら分かりやすくお伝えできるだろうか」「ご希望に沿う形での解決は何だろうか」と日々考え、円滑な解決とともに、お客様に寄り添う司法書士(行政書士)でありたいと考えています。
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