神戸市西区の相続に関する手続・登記・放棄、遺言を丁寧にサポート

兵庫県司法書士会兵庫県行政書士会所属】

フリーダイヤル0120-20-2058

フリーダイヤルがつがらない場合はTEL078-940-6537にご連絡ください。

電話受付 8:30〜18:00 出張相談/土日祝相談も受付中

住所:神戸市西区伊川谷町潤和1622-1 [無料駐車場有り]

遺言書が2通以上見つかった場合はどうなる?

故人の遺言書が複数見つかった際、絶対にやってはいけないこと

通常、故人の遺言書は1通のみ準備されているものですが、まれに2通以上の遺言書が見つかる場合があります。
複数の遺言書が見つかった場合、1番やってはいけないことは、相続人が勝手に遺言書を破棄してしまうことです。

故人の記した遺言書が、1通は自分にとって都合の良いものであり、もう1通が都合の悪いものである場合、心情として都合の悪い方を処分したくなるかもしれません。
しかし勝手に遺言書を破棄する行為は、私文書毀棄と呼ばれる犯罪であり、結果として相続人としての資格を失うことになります。つまり自分にとって都合の悪い遺言書であっても、故人の記した文書を勝手に処分してはならないわけです。

仮に内容を把握する前に遺言書を毀棄した場合は、どうなるのでしょうか?遺言書の内容が自分にとって都合が良い悪いの問題ではなく、遺言書を毀棄すること自体が私文書毀棄となります。そのためどのような状況下であっても破棄はやはり犯罪行為という認定になるため、遺言書の扱い方には細心の注意が必要です。

複数の遺言書が出てきた際の処理方法-内容に矛盾がない場合

複数の遺言書が見つかって、その内容に矛盾がない場合はどのように処理されるのでしょうか?
結論から言うと、2通の遺言書は両方共有効ということになります。例えば、故人が最初に「自分が亡くなった場合、全ての遺産は妻が相続する」と記載していたとします。この遺言書の内容には、まったく問題がないため、当然この遺言書の内容にしたがって故人の遺産は妻に相続されるようになります。しかしもう1通の遺言書が見つかり、内容は「妻の死後は妻が相続していた遺産を売却し、4人の子どもたちで均等に分けることとする」というものです。

この2通目の遺言書は、先程の遺言書よりも後に書かれたものです。確かにこの場合、1通目と2通目の内容は異なっていますので、2通目の内容を優先する方が良いのではないかと感じるかもしれません。しかし両方の遺言書には矛盾する点がないため、まずは1通目の遺言書が適用され、妻が遺産を相続することになります。

妻が亡くなった後には、2通目の遺言書が適用されることになり、4人の子どもたちは遺産を売却して遺産を均等に分配することになります。つまり遺言書が2通あるというイレギュラーな状態ではあるものの、2通の遺言書に抵触する部分がないので、書いた時期には関係なく両方共有効な遺言書と認められます。いわば2通目の遺言書は、1通目の遺言書を補足するものとして理解されるわけです。
では遺言書の内容に矛盾がある場合はどのように処理されるのでしょうか?

2通以上の遺言書の内容に矛盾がある場合

故人の記した遺言状に矛盾がない場合は、どちらも遺言書として有効になりますが、内容に矛盾がある場合は、どちらも有効とはいきません。ここで重要になるのは、故人がいつ遺言書を記載したのかという点となります。

例えば、1通目の遺言書が仮に2016年10月1日に書かれ、2通目の遺言書が2017年10月15日に書かれたとしましょう。
1通目の内容は、妻が遺産を相続すると記載されていましたが、2通目は自分の死後妻ではなく子どもたちが均等に遺産を相続すると記載されていたとします。完全に内容が不一致となりますが、この場合2通目の遺言書が2017年に書かれているため、この新しい2通目の遺言書が優先されることとなります。遺言書が複数あり、内容に矛盾がある時は新しい方が優先されるという原則を覚えておきましょう。

遺言者が遺言書を破棄する場合

遺言状を記した遺言者が、自分の意思で作成した遺言書を破棄する場合もあります。正式な遺言書を記した後に、内容を思い返し変更の必要を感じた場合などに、実際に遺言書の破棄が行われることがあります。

複数の遺言状がある場合、新しい方が優先されると説明しましたが、遺言者が新しい方を自分の意思で破棄した場合は、新しい遺言書ではなく、以前の遺言が優先されます。ここでポイントになるのは、遺言者の意思で破棄されているかどうかという点です。相続人が勝手に遺言者の意思を曲解して遺言書を破棄したりするのは、最初に説明したように「私文書毀棄」という犯罪行為となります。

このように遺言書は、遺言者の意思が最優先されるものであり、相続人が勝手に処理を行って良いものではありません。遺言書の内容に矛盾がない場合、複数の遺言書は全て有効とされ、内容に矛盾がある場合は新しい遺言書が優先されると理解できます

筆者

小林 朋広
小林 朋広司法書士・行政書士
・兵庫県司法書士会所属/日本司法書士会連合会
・兵庫県行政書士会所属/日本行政書士会連合会
相続・遺言・登記・後見など司法書士(行政書士)が扱う業務は多岐に渡ります。普段の生活では耳馴染みもなく、初めて問題に対峙された時にどの様に対処をすれば良いか困惑されることも多いかと思います。士業という専門家として、「どうしたら分かりやすくお伝えできるだろうか」「ご希望に沿う形での解決は何だろうか」と日々考え、円滑な解決とともに、お客様に寄り添う司法書士(行政書士)でありたいと考えています。

相続に関わる手続きに関する記事はこちら

電話受付 8:30〜18:00 出張相談/土日祝相談も受付中

個別相談会
手続きの詳細
エンディングノート
お客様の声
TOP