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終活の必須アイテム「エンディングノート」

「エンディングノート」と聞くと、あまりいい気分にならない方もいるでしょう。
親からすると、まだまだ元気なのにと不快感を露わにするかもしれません。子供からしても生前にお金の話を切り出すのは、不義理なようで聞きづらいものです。

親の気持ち

親の立場からすると、「自分たちが亡くなるまでに、どれだけ老後のお金が要るかわからないから、あてにされたくない」という気持ちもあります。
でも亡くなった後、兄弟や親族間でもめ事が起きないよう、話をしておきたいという思いもあるようです。
子どもから話を切り出されると嫌な思いをする一方、子供たちのために話し合いを持ちたいという、相反する気持ちが交差するのが相続の話なのです。

これからの人生設計のために

エンディングノートは、死んでからのことを書き記すだけではありません。むしろ、これからの老後人生をどのように生きていきたいかを書き記すものなのです。
認知症が進んでしまってからでは、親の意向を確認したくてもできません。親が元気なうちでないと聞けないことはいっぱいあるのです。

・人生の最期はどのように迎えたいのか。
・もしものとき、呼んでほしい人物は誰なのか。
・お葬式に呼んでほしい人は誰なのか。
・お葬式はどのようにおくってほしいのか。
・延命治療を望むのか。望まないのか。
・介護はどのようにしてほしいのか。
・介護施設への入居は望むのか。
・お墓はどこに入りたいのか。
・家族に残しておきたい言葉は何なのか。

子どもでも親のこころの中は知らないことが多いものです。
もしかすると、人生の最期に会いたい人がいるかもしれません。
お葬式にぜひ呼んでほしい人がいるかもしれません。葬式が済んだら遺骨は納骨せず、海に散骨してほしいという希望があるかもしれません。
親がどのような少年少女時代を過ごし、どんな価値観で生きてきたのか、 親の背中を見て育ってきた子供にも知らなかった「親のこころの中」が見えてくるのが、この「エンディングノート」です。

長生きしてほしいから子から親へのプレゼント

エンディングノートという言葉が終活を連想させるとして、最近は「これから手帳」、「未来設計ノート」などのネーミングがついているものをよく目にします。
どのようなノートであれ、もしもの時に親の意志や希望が書かれてあると、残された子供たちも親の希望に添ってできる限りのことができて、悔いを残さずに済みます。
親にとっても、望まない延命治療を受けたり、介護施設に入居したりしてストレスを抱えず、自らの人生を全うして最期を迎えることができます。もちろん、財産をリスト化してあると、遺産分割もスムーズに運び、無駄な相続争いも起こらずに済むのです。

エンディングノートは、これからの人生を楽しく悔いなく過ごすための「未来ノート」です。
子どもから親に、 「長生きしてほしいから一緒に書いていこう」と渡すと、親も素直に受け取りやすくなるのではないでしょうか。

現代の必須アイテム

核家族化が進む現代には、エンディングノートは必須アイテムとなってきました。
普段遠く離れて暮らす親がいるなら尚更、元気なうちに親の意向や希望を聞きながら、 一緒にエンディングノートに書いていくと良いでしょう。
「ありがとう」という言葉を添えながら。

筆者

小林 朋広
小林 朋広司法書士・行政書士
・兵庫県司法書士会所属/日本司法書士会連合会
・兵庫県行政書士会所属/日本行政書士会連合会
相続・遺言・登記・後見など司法書士(行政書士)が扱う業務は多岐に渡ります。普段の生活では耳馴染みもなく、初めて問題に対峙された時にどの様に対処をすれば良いか困惑されることも多いかと思います。士業という専門家として、「どうしたら分かりやすくお伝えできるだろうか」「ご希望に沿う形での解決は何だろうか」と日々考え、円滑な解決とともに、お客様に寄り添う司法書士(行政書士)でありたいと考えています。

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